2003年に吹奏楽作品として作曲した後、ティーダ出版で2009年に出版、その後2011年に同出版社委嘱により金管八重奏版を発表しました。吹奏楽版は、韓国済州市の市民バンド「Halla WindEnsemble」によって2005年に初演されました。
韓国朝鮮には伝統的なリズム体系が確立されており、これらを総称して「チャンダン(長短)」と呼びますが、この曲にもいくつかのチャンダン、それもヨンナム(嶺南)地方の農樂(朝鮮半島の民俗楽の一種)で登場するチャンダンが登場し、タイトルの通り曲全体の骨格となっています。サムルノリというのは、農楽をステージで4人程度で演奏するために新たに開発された芸能で、大好きなヨンナムサムルノリを吹奏楽でそのまま表現したくなって、当時(21年前!)勢いに乗って書きました。
音階も、朝鮮半島の伝統的な平調、界面調音階を自由に採り入れました。リズムにしても音階にしても、今振り返ると、ある意味では若々しくファッショナブルに扱っているように思いますが、タイトル通りダイナミックでリズミカルな音楽に寄与してくれていればと願います。チャンダンという骨格が全編に敷かれているので、吹奏楽版から金管八重奏版を新たに作るにあたってもそれほど苦労せずに書き上げたように思います。
昼間から農作業の合間にマッコリを飲みながら太鼓を叩いて民衆が楽しむ本来の農楽のように、この「ダイナミック・ソウル」も皆さんに大らかに楽しんでいただければ嬉しいです(未成年の皆さん、マッコリはお酒なので20歳まで待ってくださいね!)。
タイトル:金管八重奏の為の「ダイナミック・ソウル」
作 曲:朴守賢
演奏時間:約5分40秒
グレード :3
▼楽器編成
Trumpet 1,2
Horn1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
▼ サンプルスコア
▼参考音源