ラプソディの起源は古代ギリシャの叙事詩と言われていますが、様々に場面転換する特徴が転じてか、今日では色々な性格、色々な要素を盛り込み、規則性にとらわれず自由に書かれた曲といった意味に捉えられることが多いと思います。
夏の様々な情景を盛り込むイメージで作曲したこの曲を「夏空のラプソディ」と名付けたのはそうした意味です。夏空の下で人々が過ごした様々な思い出、様々な夏の良さを詰め込んだような曲としたい、そして、特に子供たちや若者がそれぞれの夏を楽しく伸び伸びと過ごして欲しい、という想いを込めて書き上げました。
冒頭は、キラキラと輝く木漏れ日です。心地よい風が優しくそよぎ、揺れる木の葉の間から陽射しが宝石のように光っている様子を思い描きながら作曲しました。続いて、広々とした平原を風が吹き抜けます。気持ちの良い青空には雲が浮かび、夏草が風に揺れています。そんな清々しい情景をイメージしたイントロに導かれて、曲は生き生きとしたアレグロ・ヴィヴァーチェとなります。
中間部は、多くの人が感じるであろう夏休みのノスタルジックな切なさを表現しました。田舎で過ごしたこと、夏祭り、花火の思い出など、それぞれが感じる懐かしさをフリューゲルホルンから始まるメロディで描きました。
その後、暗雲が立ち込めて夏の嵐となります。嵐が去ると風が雲を吹き払い、夏空と陽射しに照らされた情景が再び広がります。
夏の楽しい雰囲気や皆さんの心の中にある様々な記憶、宝物のような大切な思い出を、青空、緑、雲、海、眩しい夏の陽射しなどの情景と共に思い浮かべながら演奏していただければ幸いです。
(宇田川不二夫)
タイトル:夏空のラプソディ
作 曲:宇田川不二夫
演奏時間:約6分15秒
難 易 度:3
【楽器編成】
(E♭Cornet) / B♭Cornet 1,2,3 / Flugelhorn / E♭Alto Horn 1,2,3 / Baritone 1,2 / Trombone 1,2,3 / Euphonium / Tuba / Timpani / Triangle / Snare Drum / Wind Chimes / Crash Cymbal / Suspended Cymbal / Bass Drum / Glockenspiel / Xylophone
▼スコアサンプル
▼参考音源
準備中