「FANTASTIC TRAIN」は、「幻想的な架空の世界を旅する列車」をイメージして書いた作品です。
以下に書くのは作曲者のこの曲の旋律や曲想のイメージであり、あくまで参考程度にしていただければ幸いで、皆様がそれぞれ持っている「架空の世界」のイメージを自由に思い描いて欲しいと思います。
曲は短い序奏から始まります。この曲は三つの旋律を中心に構成されていますが、この序奏で三つの旋律の断片が全て登場します。
序奏が終わり主題部へ入るとすぐに、コルネットが一つ目の旋律を奏でます。この旋律は、列車の明るく力強い走りを表現しています。一つ目の旋律がしばらく続いた後、静かな伴奏と共にフリューゲルホルンとアルトホルンに二つ目の旋律が登場します。一つ目の旋律が「列車のテーマ」とするならば、こちらは「風景のテーマ」となっていて、列車から見える風景に想いを馳せるイメージです。
その後再び「列車のテーマ」が現れ、曲は最初のクライマックスを迎えます。
中間部は急激に雰囲気が変化し、主題部が明るく優しい風景を旅していたのに対して、ここでは嵐の中や暗闇、あるいは怪物に追われる等といった激しく恐ろしい場所をイメージしています。主題部で登場した二つのテーマが入れ替わり立ち替わり現れ、列車の不安定な走行や風景が目まぐるしく変化していく様子を表現しています。
激しい曲調は次第に収まっていき、曲のテンポも主題部と同じに戻るといよいよクライマックスの
終結部に入ります。ここでコルネットに現れる三つ目の旋律は「未来への前進のテーマ」というイメージで、同じテーマが何度も繰り返されながらp〜ffまでクレッシェンドしていくことで、遠くにある理想や希望に向かって確実に進んでいく列車の姿をイメージしています。繰り返されていく中で一つ目のテーマと二つ目のテーマも合流し、列車は新たな世界へと旅立って行きます。
(富士原裕章)
タイトル:FANTASTIC TRAIN
作 曲:富士原裕章
演奏時間:約5分00秒
難 易 度:3
【楽器編成】
E♭Cornet /B♭Cornet 1,2,3 / Flugelhorn / Alto Horn 1,2,3 / Baritone /Trombone 1,2,3 / Euphonium / Tuba / Timpani / Crash Cymbals / Suspended Cymbals / Xylophone / Glockenspiel
▼スコアサンプル
▼参考音源
準備中