金管楽器の音色のイメージといえば、まず力強さ、雄大さ、暖かさなどが思い浮かびますが、個人的には他の楽器には無いひょうきんな感じや奇妙な脱力感も持っていると思っています。この「TOY CIRCUS」は、そのような音色のイメージを表現したいという思いから誕生した作品です。
曲はまずサーカスの開演を知らせるようなオープニングから始まり、練習番号AからはTp.が明るく軽快で、でもどこか調子外れの様にも聴こえるテーマを奏でます。小さなおもちゃ達が好き勝手に曲芸を披露しているイメージです。
その後Hn.がテーマを引き継いだりしながら曲は段々と盛り上がっていき、Eで最初のクライマックス部分となります。この部分の旋律は半音進行がかなり多く不安定な動きをしているので、臨時記号や音程の変化に十分注意しながら演奏してください。
Fからは幾分テンポを落として、Euph.に新たなテーマの旋律が登場します。この旋律も半音進行が多く、まるでフラフラと飛んでいる様な動きをしています。イメージとしては大きなおもちゃが登場し、不安定な球乗りや綱渡りをしているという感じです。
Kで急な場面転換が行われ、Lで最初のテーマへと戻ってきます。前回とは違う転調を経てNで2回目のクライマックス部分に入り、一旦勢いを落として行くと見せかけてすぐに盛り上がり返し、Oの部分ではメインテーマが再び現れ、不協和音も伴って最大の盛り上がりの中で曲は終結します。 (富士原裕章)
タイトル:TOY CIRCUS
作 曲:富士原裕章
演奏時間:約4分20秒
グレード: 3
レーベル:ティーダ出版
▼楽器編成
Trumpet 1,2
Horn1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
▼サンプルスコア
▼参考音源