ティーダ出版委嘱、金管八重奏作品。
最初は、比較的自由にこの編成での響きや構成を模索していましたが、書き進めるうちに都会的な喧騒や問題の多い現代社会を想起しました。基本的には「音楽」の流れる方に従って書いていった作品で、それそのものと捉えていただければと思いますが、ここにもしストーリー性を持たせるとすれば、先述の通り、この作品には半ば現代性、現在性を投影しているというところがポイントかと思います。この世界を生きる私たちが、社会的或いは個人的な出来事に翻弄され紆余曲折しながらも力強く生きていく、という類の生命感を表出できれば良いかと思います。
様々な音楽的場面展開で、グルーヴはもちろん、温度や湿度、密度、硬質感などのコントラストを考えました。その中でメロディーもハーモニーもリズムも、何か濁っていたり、スッキリしなかったり、屈折していたり、入り組んでいたりしますが、それらも表現の多彩さと捉えていただければ嬉しいです(多彩と言いつつも、私個人的にはこの曲は結構グレーな曇り空のイメージなんですが)。
そういうことでタイトルは、雲の「クラウド(Cloud)」か群衆の「クラウド(Crowd)」か、図らずも「クラウド対決」となりましたが、最初に想起したイメージから、「In the Crowd」としました。(朴守賢)
タイトル:イン・ザ・クラウド
In the Crowd
作 曲:朴守賢
PARK, Soo-Hyun
演奏時間:5:30
グレード: 3
レーベル:ティーダ出版
▼楽器編成
Trumpet 1,2
Horn1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
▼サンプルスコア
▼参考音源