金管8重奏と聞いて、初めに頭に浮かんだのがファンファーレでした。全員で力強く響かせるファンファーレではなく、一人一人が主役になれるように可能な限り音を削り、どのパートも大切なパッセージを担当できるように工夫しました。練習番号CやEでは次々と異なる楽器がメロディーを受け継いでいきます。途切れなく流れるように受け渡していくと同時に、8分休符や付点8分音符を意識して、メリハリをつけて演奏してもらいたいと思います。
曲の中間部分では、友人や家族との別れ、旅立ちをイメージしたノスタルジックなメロディーが現れます。人との出会いは巡り合わせやタイミングなど、様々な要素が重なって生まれる奇跡ですので、遠くへ離れることに、寂しさを感じずにはいられませんが、再会や新しい地での出会いに向かって恐れずに歩みを進めていく、そんな姿を思い浮かべながら音にしました。
ファンファーレといえば開会式などで用いられることが多く、開始の合図を思い浮かべます。旅立ちとは相反する楽曲のように感じますが、未来へ向けて、夢や希望を持って旅立っていく、これからの自分の始まりの姿をイメージしながら演奏して頂けたら嬉しいです。(小泉香)
タイトル:旅立ちのファンファーレ
作 曲:小泉香
演奏時間:約5分10秒
グレード: 3
レーベル:ティーダ出版
▼楽器編成
Trumpet 1,2
Horn1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
▼サンプルスコア
▼参考音源