ここ数年、自身で簡単な約束ごとを決めて金管バンドの作曲に取り組んできました。第一に、少人数で演奏できること。本作《明日へのみちしるべ》も10人程度で演奏することができます。しかし同時に、大人数で演奏した際の効果も考えています。オプショナル楽器になっているパートも楽しく演奏できるよう、独自の(しかし少人数の際にそのパートがなくても成立するような)パートにすることを心がけています。打楽器の数も多くし過ぎず、ティンパニは3台、かつ音変えが必要ないようにしています。そして、一回聴いて演奏すれば理解することのできる音楽の流れにすることを目指しています。そうして描き出された音楽の内容を様々に解釈してもらえるように、厳密な場面描写や物語性を与えることも避けています。
その点から見ると、《明日へのみちしるべ》はその最もたる例かもしれません。少なくとも言えることは、本作の音楽は難しい哲学的な問題を扱っているわけではないということです。あえて言うならば、ただひたすらに明日を、未来を夢見る世代のみなさまに向けた、いままさに夢のためにもがいているわたしという一人の人間からの、小さな贈り物のようなものです。(石原勇太郎)
タイトル:明日へのみちしるべ
作 曲:石原勇太郎
演奏時間:約5分55秒
難 易 度:3
【楽器編成】
(E♭Cornet) /B♭Cornet 1,2,(3) / (Flugelhorn) / E♭Alto Horn 1,2,(3) / Trombone 1,2,(3) / (B♭ Baritone) /Euphonium / Tuba / (Timpani) / Snare Drum / Triangle / Bass Drum / Tambourine / Crash Cymbals / Suspended Cymbal / Sleigh Bells / Whind Chimes / (Vibraslap) / (Glockenspiel) / (Xylophone)
▼スコアサンプル
▼参考音源