この曲はもともと「ザ・トロンボーンアンサンブル・マイナーズ」という団体へ結成15周年記念委嘱作品として2010年に書いたものです。団体はトロンボーンとチューバ、ピアノが主体の編成なのですが委嘱時に「吹奏楽編成で書いてもらってそれを団体側でトロンボーンアンサンブル編成にする」というかなり特殊なスタイルでした。その後、吹奏楽編成では演奏される機会になかなかめぐり合えず今回(2023年)の企画で音源にしていただけることとなりました。
曲は金管の力強いファンファーレからはじまります。ホルンと木管のゆるやかなフレーズをはさんだ子のファンファーレが終わると、テンポはアレグロへ変わりメインテーマがはじまります。AABAの形式で進んだあと曲の過熱感はいったん落ち着き中間部へと移ります。中間部はアンダンテの3拍子。木管を中心とした温かくやさしいフレーズで歌います。こちらもAABAの形式で後半に向かって徐々にドラマチックに盛り上がっていきます。中間部が終わると曲は最初のテーマに戻りそのまま冒頭のファンファーレへと変化します。これまでのダイジェストのような再現部を経てラストのグランディオ―ソでは中間部のメロディが行進曲のトリオ部分のような形になって再登場します。ラストは勢いのあるテンポで曲は終わります。曲全体としては緩急のある序曲のような形式をとっています。
タイトルにある「Horns/ホーンズ」はホルンだけでなく管楽器全体のことであり、直訳すると「管楽器の時間」となりますが、このタイトルの由来はそれだけではありません。委嘱団体であるマイナーズをアルファベットにした「Minors」に冠詞をつけた「The Minors」をアナグラムしたものが「Horns Time」なのです。コンクールや演奏会のオープニングでもメインでも使える作品となっています。(高橋 宏樹)
タイトル:ホーンズタイム
Horns Time
作 曲:高橋宏樹
Hiroki Takahashi
グレード:3
演奏時間:約6分55秒
Tp最高音:五線外G
レーベル:ティーダ出版
【楽器編成】
Flute1,2 /(Oboe)/(Bassoon)/ B♭Clarinet 1,2 / (Bass Clarinet) / Alto Saxophone / Tenor Saxophone / (Baritone Saxophone)/ Trumpet 1,2 / Horn 1,2 / Trombone 1,2 / Euphonium / Tuba /(String Bass)/Timpani /(Triangle)/ Triangle / Snare Drum /Glocken / Bass Drum / Suspended Cymbal/Cyms
▼スコアサンプル
▼参考音源