「森の彼方の国」と呼ばれ、古くは中世に遡り今に至る、ルーマニアのトランシルヴァニア地方。世界中には星の数ほどの音楽がありますが、この地域にも他に見られない民謡が多数存在します。その多くは昔から歌うことにより伝えられた歌であり、クラッシックのような楽譜が存在しません。その音楽を、1990年頃から1930年頃に調査して楽譜に書き残した作曲家たちがいます。吹奏楽でも演奏されるコダーイやバルトークがその作曲家です。そしてその後、録音してこれらの音楽を遺した学者がいます。「森の彼方の地」は、バルトークが遺したトランシルヴァニア民謡の楽譜や、学者が遺した録音を元に作曲され、4つの曲から構成された組曲です。
第1楽章「森の彼方の地」は、民謡独特の音階を吹奏楽で演奏できるように修正して、昔の城をイメージしながら作曲しました。(ドラキュラの城があるのも、この地域です)
第2楽章「トウモロコシの王冠」は、収穫祭で女性がうたう素朴な歌です。
第3楽章「古い遊び(ゲーム)」は、本来速い音楽ですが、その旋律をゆったりした歌に編曲しました。
第4楽章「飛び跳ね遊び(ジャンピング・ゲーム)」は、舞曲の性質をもつ音楽から変化して、これまでの様々な音楽シーンを思い返すように構成しています。
吹奏楽の華やかさと、私たちの耳に馴染みのない民俗音楽の融合を試みた作品です。
(松本直祐樹)
タイトル:森の彼方の地〜古いルーマニア民謡による〜
作 曲:松本直祐樹
グレード:4
演奏時間:約9分10秒
Tp最高音:五線外A
レーベル:ティーダ出版
【楽器編成】
Piccolo/Flute 1,2/Oboe 1,2/English Horn/E♭ Clarinet/B♭ Clarinet 1,2,3/Alto Clarinet/Bass Clarinet/Contrabass Clarinet/Soprano Saxophone/Alto Saxophone1,2/Tenor Saxophone/Baritone Saxophone/Bassoon 1,2/
Horn 1,2,3,4/Trumpet 1,2,3/Trombone 1,2/Bass Trombone/Euphonium/Tuba/Contrabass/Harp/Piano/Timpani/Snare Drum/Tenor Drum/Bass Drum/Suspended Cymbal/Crash Cymbals/Tam-tam/ Antique Cymbals/Triangle/
5 Wood Blocks/Vibraphone/Marimba/Glockenspiel/Xylophone/Tubular Bells/Finger Cymbals
▼スコアサンプル
▼参考音源