▼サンプルスコア
この作品はクラリネット奏者の板倉泰明氏の委嘱によってアンサンブル・エクラのために制作し、2007年6月に渋谷のアクタスノナカアンナホールで初演本番を迎えた。2007年1月にパリのラジオ・フランスでばったり再会した板倉さんと食事をご一緒した時に依頼され、作曲家として初めての依頼仕事となった。板倉さんとの出会いは、大学時代に授業でお世話になり、留学の相談をしていた作曲家の江村哲二先生に紹介していただいたことが縁であった。日本の作曲科で学ばずに作曲家を志していた自分を、同じように独学で学び大成された江村先生にずっと励まして頂いた恩があり、作曲家として初の発表成果を見て頂きたくて本番に招待していたが、演奏会直前に膵臓がんで急逝されたため再会は叶わなかった。
《Plat du jour》は、パリ留学中の日常の中で、フランスと日本の献立、料理の方向性の違いにカルチャーショックを受けつつも、共通する味わいの種類に気付かされたことをきっかけに「うま味成分」に思いを馳せながら、三種類の異なる味わいを音楽で表現しようと試みて制作した。音群から浮かび上がる旋律、ミクロポリフォニーとメロディの関係が交差する音楽を三つの小品によって構成した。(松宮圭太)
タイトル:plat du jour(献立)
作曲:松宮圭太
グレード:5
演奏時間:約5:00
レーベル:ティーダ出版
楽器編成
E♭Clarinet
B♭Clarinet 1-5
Bass Clarinet