▼サンプルスコア
▼参考音源
光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部クラリネットアンサンブルの皆さんが演奏してくださいました!
村上春樹の小説『ダンス・ダンス・ダンス』に触発されて、2022年5月に作曲。
他者とのつながりを失い、自己喪失感に苛まれる主人公〈僕〉は、ホテルの一室で〈羊男〉と出会う。僕と「いろんなものを結び付ける」役割を持つ羊男は、窮地に立つ僕へ
「踊るんだよ。音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ」
とアドバイスをする。
立ち止まると前へ進まない。自分のペースで、自分らしく生きること。
様々な困難に直面しながらも、「踊り続ける」ことで徐々につながりを回復してゆく
失われた何かを取り戻す物語である。
羊男の「踊るんだよ」から始まる一節を読んだ印象から、快速部の伴奏パターンを着想したことが作曲の動機である。また「踊り」という単語を小説の文脈から切り離して多義的に解釈し、そこから生まれた発想も音楽の中に取り入れている。あくまで小説は作曲のきっかけに過ぎないため、この音楽は小説中の具体的な登場人物やシーンについて描写したものではない。
作品は、絶え間なく何かが“踊り続ける”さま、あるいは“踊らされている”かのような視覚的なイメージを基に作曲した律動的な後半部と、流動的なテンポ感・楽想、首尾一貫しない不安定さを特徴とする前半部の2部で構成されている。(尾方凛斗)
タイトル:Dance Dance Dance
作曲:尾方凜斗
グレード:4.5
演奏時間:約5分00秒
レーベル:ティーダ出版
楽器編成
B♭Clarinet 1-4