CD帯より
演奏会の夜、出演者と聴衆の心では、追憶が奇蹟を奏でた。世界屈指のブルックナー指揮者、朝比奈隆（1908〜2001）のブルックナー演奏の神髄が、甦ったのだ。
この夜の奏者の大部分は、朝比奈隆の演奏会を実際に聴いた経験のない世代が占めている。しかし、巨匠・朝比奈隆のもとで長く演奏した２人のホルン奏者が、編曲と指揮を担当することで、このアンサンブルの演奏には、マエストロ朝比奈の音の呼吸感、ブルックナー特有の書法への深い理解と愛情が、ごく自然な形で、しかし強靭な力で刻印されている。聴く者は、はるかな時代と世代を超えて届く、音楽と魂の尊さに、胸を打たれる。
これは美しい奇蹟の夜の記録なのだ。
響　敏也（作家・音楽評論家）



第28回 大阪音楽大学ホルン専攻生による ホルンアンサンブルの夕べ
2015年11月17日 豊中市立アクア文化ホールにて収録

指揮
4-6・・・池田重一（大阪音楽大学准教授、元大阪フィルハーモニー交響楽団ホルン奏者）
　2・・・三宅知次（大阪音楽大学講師、元大阪フィルハーモニー交響楽団ホルン奏者）

編曲 ・・近藤望（元大阪フィルハーモニー交響楽団ホルン奏者）

▼収録曲▼
1.デュカス 作曲
「ラ・ペリ」の前奏用ファンファーレ

2.ヒューブラ― 作曲　三宅知次 編曲
4本のホルンのための協奏曲

3.ケリー・ターナー 作曲
バーバラ・アレン

4-5.ブルックナー 作曲　近藤望 編曲
交響曲第8番第1・4楽章（抜粋）

6.マスカーニ 作曲　近藤望 編曲
カヴァレリア・ルスティカーナより　間奏曲